古い日本映画って何で面白いの?/Amazonプライム・ビデオで絶対に見るべき3作品

 

たまには、日本映画。

 

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Amazonプライム・ビデオ、見てますか?

 

僕は、たまに見る。

(ブログを書くようになってから、見る時間を捻出しづらくなった)

 

見るまでは

「めんどくせ~な~」と思うんだけど、見終わってしまえば

「ヨカッタワァ…」ってなる、単純な生き物です。

 

さて、そんなAmazonプライム・ビデオで楽しめる作品の中で、

おすすめの「古い日本映画」を3つ紹介したいと思う。

 

それではいきましょう。

 

古い日本映画のいいところ

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古い日本映画のいいところを3つ挙げる。

 

僕としては、下記の3点だと思ってる。

 

1)規制が少ない

 

2)演技力が際立ちやすい

 

3)内容に集中しやすい

 

このとおり。

ひとつずつみていく。

 

 

1) 規制が少ない

まずはこれ。

規制が少ない昔は、表現の自由が多くて良い。

今では到底使えないような放送禁止用語や、差別用語が普通に出てくるからね。

念のためいうと、差別はもちろんいけないことだと思っている。

それと同時に、映画ってものは「見たい人だけ、見る」ものだとも思う。

現代においても、事前の注意書き等があれば、

ある程度の自由が認められてもいいのでは…と思う。

完全に個人の裁量でモノを言って申し訳ないけど、不特定多数の目に止まりやすい地上波のTVではNGで、映画なら条件付きでセーフ…みたいな。

(でも、映画がTV放送されるときが厄介だね)

 

 

2)演技力が際立ちやすい

これも大きい。

すぐ思いつくケースとして、次に上げる3パターンがある。


・白黒映画で「色の情報量が少ない」分、演技そのものが際立つ

 

・ワンシーンが「長く」かつ「カメラワークが変わらない」

 

・映像が「キレイすぎる」

 

白黒映画に関しては、上で述べたとおり。

色の情報量が少ない分、演技そのものに集中しやすくなる。

 

ワンシーンが長かったり、カメラワークが変わらなかったりするのも、

演技そのものに集中しやすい要素。

これは別に古い映画に限ったものではないけど、感覚的には

「古い映画の方が、その傾向が強いよな…」と思う。

(感覚的な、という曖昧なものでスミマセン)

 

そして、映像。

やっぱり、現代の映画ってキレイ。

キレイなのはいいことなんだけど、映画のジャンルによっては、

「そのキレイさが、雰囲気に合わない」ことがある。

ミステリー映画なんかがその代表格かと。

(そして、後で紹介する3作品も全て「ミステリー」要素を含む映画)

 

映画ではなくドキュメンタリーで例えるんだけど、

Netflixの「OUR PLANET 私たちの地球」のようなものだと、

「映像がキレイ」なのがメリットとなる。

本当にキレイだからNetflix契約してる人は必見です

 

これに対して、ミステリーのような

不可思議だったり、サスペンス要素があったりといった映画だと、

「映像がキレイ」なことが、デメリットとなることがある。

 

写りの良さや背景にばかり目がいってしまって、

本編に集中できない感じといったらよいかな?

 

ちなみに最近、アニメのPSYCHO-PASS3期を見てるんだけど、

ただでさえ設定が複雑なのに、作画がキレイすぎて内容に集中できない。

(1期・2期見てても、この感想)

 

 

3)内容に集中しやすい

最後はこれ。

※ここからは、特に抽象的な話になる。スミマセン。

 

2)の「演技力が際立ちやすい」とちょっと似てるけど、少し違う。

演技力以外の部分、大雑把に言ってしまえば、

「ストーリー」の部分に集中しやすい、ということ。

 

古い映画だと「事前知識」が邪魔することが少ないから、

集中しやすい。

 

このあたりは、以前書いた、

昔のアニメに関する記事で述べたことに近いかも。

 

 

この記事では、昔のアニメが面白い理由として、

下記のように述べた。

 

劇中で「メタ発言」「パロディ」「ネットスラング」がほとんど使われない

 

「一部の人にしか伝わらない言葉や状況」が出てくると、

視聴者は「ネタが分からない人」と「ネタが分かる人」とに分けられる。

 

昔のアニメにおいては、

視聴者は「ネタが分からない人」と「ネタが分かる人」とに分けられることはない。

 つまり、

「みんな等しく、内容を理解しやすい」作品が多い。

 

「映画にはメタ発言やパロディ、ネットスラングはないだろ…」

と思うかも知れない。

 

その通り。

でも、事前知識があるだけで、集中を妨げる場合があるんだよね。

 

「事前知識が邪魔することが少ないから、集中しやすい」

 

例えば、1970年代と2010年代を比べたときに、

圧倒的に違うものがある。

 

それは「モノの数」。

 

モノとは何かというと、

物理的な「モノ」だったり、「モノゴト」だったり。

あるいは無形の「モノ」だったり。

 

そういったモノが画面の中に映ったり、

言及されたりすると、ストーリーに集中できないことがある。

 

さっきも言ったけど、抽象的な話になってしまってスミマセン。

 

 

おすすめ日本映画3選

 

次の3作品。

 

・「羅生門」

 

・「犬神家の一族(1976)」

 

・「疑惑」

 

 

「羅生門」

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平安時代、羅生門の下で雨宿りをする下男(上田吉二郎)相手に、旅法師(千秋実)と杣売り(志村喬)が奇妙な話を語り始める。京の都で悪名高き盗賊多襄丸(三船敏郎)が山中で侍夫婦の妻(京マチ子)を襲い、夫(森雅之)を殺害したという。だが、検非違使による調査が始まると、盗賊と妻の証言はまったく異なっており……。

 

テーマは『嘘』。

個人的な一言感想でいえば、

「真実と事実が分からなくなる感覚は、見ている間だけでなく、その後にも続く」

といったところか。

原作は芥川龍之介の短編小説「藪の中」。

 

 

 

「犬神家の一族(1976)」

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旧家の名士犬神佐兵衛の遺言状が公開されるが、莫大な遺産の相続者は佐兵衛の恩師の孫娘である野々宮珠世と結婚した者と記されていた。佐兵衛の孫にあたる3人の男はそれぞれ珠世を我が物にしようと企むのだが、やがてそれは連続殺人事件へと発展していく……。

 

有名すぎるミステリ。

ネタにされがちな「逆さの死体」や「スケキヨ」だけど、

作品を真剣に見れば全くネタではないことが分かる。

役者たちの演技力と作中の陰鬱な雰囲気が好き。

遺体のセットは少し安っぽく見える部分はあるけど…。

原作は横溝正史。

金田一耕助役の石坂浩二がめっちゃ若い。

そして野々宮珠世役の島田陽子がめっちゃ美人。

昔の女優さんって、美人多すぎない?

 

 

 

 

「疑惑」

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殺人容疑者の女性と彼女を弁護することになった女性弁護士の感情のぶつかり合いを軸に描く。富山県新港湾埠頭で車が海中に転落、乗っていた地元の財閥、白河福太郎は死亡したが、後妻の球磨子はかすり傷ひとつ負わずに助かる。やがて、夫に3億円の保険金がかけられていることが判明、球磨子は逮捕される。球磨子の弁護人として佐原律子が選ばれるが、二人はことあるごとに衝突した……。

 

原作は松本清張。

前にも記事にしたけど、この映画は本当に良い。

 


桃井かおりと岩下志麻の演技力がすさまじい。

ラストの二人のヒリついた会話は本当に必見。

「二人の対比」に注目して、もう一度見たい。

見た後は「タイトルはこれ以外あり得ないな」と思える作品。

 

 

そんなワケで

 

古い日本映画が面白く感じる理由と、

Amazonプライム・ビデオで絶対に見るべきオススメ日本映画3選でした。

 

 

本日はここまで。