【なぜ、それが起こったのか?】香川県の「ゲーム規制の条例案」について【脊髄反射は、必要ない】

 

ゲームは一日一時間

 

依存と、どのように向き合うか。

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話題となった、このできごと。

 

www3.nhk.or.jp

 

www.itmedia.co.jp

 

香川県議会が議論を進めている子どものゲームやネット依存症対策を目的とした条例案に、「ゲームは平日1日60分まで」「午後10時以降はゲーム禁止」などの具体的な制限が追加され、Twitter上では「極端ではないか」「一律に規制する意味が分からない」など物議を醸している。

 

条例の対象は高校生以下の子ども。1日のゲームやネットの使用時間を平日は60分、休日は90分に制限する他、夜間の使用についても高校生は午後10時以降、中学生以下は午後9時以降はゲームをさせないよう保護者に求める方針だ。罰則規定は設けない。

 

今回の条例案、否定的な意見が多数。

 

逆効果である、というツイートや、

 

むしろゲームはいいモノなんだよ! というツイートなど。

 

 

ネット上で見られる多くの意見は「反対」。

 

うん。

僕も同意見。

 

同意見なんだけどね…

 

ネットではよく

「反対ダー」「前時代的ダー」と騒ぎ立てる声が多いけど、

「ちょっと落ち着こうか?」と思う。

 

まだ「素案」の段階だから…。

 

www.pref.kagawa.lg.jp

 

 

 

日経の記事は、冒頭のリンク記事より詳しく書いてある。

 

r.nikkei.com

 

少し引用する。

 

素案は条例の実効性を高めるため、依存性が高いとされるオンラインゲームの使用時間の上限に加えて、使用時間帯の制約も明記した。中学生以下は午後9時まで、高校生は午後10時までに使用をやめるよう求める。ただし、罰則規定は設けていないため、実質的な強制力はもたない。

 

さらに、県には予防対策の実施や全国で不足している医療体制の整備、相談支援体制の充実を求めた。学校や保護者に対してはスマートフォン、ゲームの適切な使用を促すための指導、閲覧制限をかけるフィルタリングの活用などを記載。法整備の検討を講じるよう、国との連携も明記した。

 

いくつかピックアップすると、

罰則規定は、ない

 

・県に医療体制の整備、相談支援体制の充実を求めた

 

・学校や保護者に対し、スマホやゲームの適切な使用を促すための指導、フィルタリングの活用方などを記載

 

このとおり。

 

こうやって見ると、この条例案、

「子どもを、変える」ためのものではなくて、

「保護者を、変える」ためのものではないか…と思うことがある。

 

「ゲーム好きな子どもを抑圧する」という見かたより、

「依存性・依存症に対する意識を保護者に持ってもらう」

という見かたをした方がよいかと。

 

「それはいくらなんでも、フォローしすぎだろう」って思うかもだけど。

 

こういう話題が大きく取り上げられたとき、多いのが

「それが良いのか、悪いのか」だけで語られてしまうこと。

 

んーっと…ちょっと説明しづらいんだけど、

「なぜ、それが起こったのか?」にフォーカスした方がいい。

 

今回の香川県の例でいうと、

「なぜ、この条例案が出されたのか?」にフォーカスするということね。

 

もうひとつ引用する。

 

スマホ普及によるネット依存拡大も全国的な社会問題だ。厚生労働省研究班の推計によると、依存の疑いがある中高生は17年度時点で約93万人と、12年度の調査と比べて倍近くに増えている。その中で中高生は全体の約14%を占める。

 

このことを知っていれば、

「なぜ、条例案が出されたのか?」の理由のひとつは分かるよね。

 

今回、香川県が特に問題だったのは

中学生以下は午後9時まで、高校生は午後10時までに使用をやめるよう求める

に見られるとおり、

「一律に」規制をする案になっている、という点。

 

 

 

ゲーム禁止に効果はあるのか?

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ちょっと抽象的すぎるね。

 

「ゲームやネット依存症対策を目的とした条例」

に効果はあるのか?

  

それは「場合による」。

 

基本的には効果がない、と言いたいところだけど、

依存症の人に対しては、別だよね。

 

県に医療体制の整備、相談支援体制の充実を求めた

 

このとおり、医療的な視点からケアすることが前提なら、話が別なのかと。

 「必要な場合もあるんだよ」ということは理解すべきかと思う。

 

 

 

ある程度の「制限」は必要

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依存の傾向がある・ないに関わらず、

ある程度「制限する」ことは、場合によっては必要。

 

以前にも記事にしたが、

適切な手段で「テクノロジーの利用を、制限する」ことは

教育上、有効なことだと思っている。

 

ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズは、
「自身の子どもたちに対し、テクノロジーの使用を制限していた」らしい。

 

 

もちろん、制限だけでもダメだけどね。

 

記事の冒頭で

「ゲームも、いいものだよ」という内容のツイートを引用した。

 

この他、ゲームをプレイすることの恩恵については、

下記の動画でも語られている。

 

 

◆ジェーン・マクゴニガル 「ゲームで築くより良い世界」

有名すぎるTED動画。必見。

 

 

まずは、対話を

 

少し長くなってしまったので、このへんにしようかと思う。

最後にひとつ。

 

何ごとも対話が必要なのかな、と思う。

 

対話。

 

「なぜ、それが起こったか?」

この背景まで考えて、冷静に考えることが必要かと思う。

例えそれが一見して「理不尽」なものであっても。

 

 

本日はここまで。