どうすればマルチタスクをやめられるのか?/集中できる時間を取り戻すために

 

そらね! きみは観察していないんだ。そのくせ、見るだけは見ている。

そこなのさ、ぼくの言いたいのは。

 
言うは易く行うは難し。

 

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マルチタスク(Multitasking)の弊害については理解しているつもりでも、

つい、その誘惑に負けてしまう。

僕もよくその誘惑と闘っているし、よく負けている。

なぜなら、マルチタスクは気持ちいいから。

マルチタスクをすると、脳内で報酬ホルモンである、

ドーパミンが放出されることが分かっている。

 

 

小さなタスクの切り替えを繰り返すと、脳の悪習慣が助長される。

メッセージの送信やツイートの投稿などを完了するたび

脳内にドーパミンが放出される。脳はこのドーパミンを好むため、

簡単に満足感を与えてくれる小さなタスクを行い続ける。

このブログでよく言うところの「インスタントな快」だ。

 

僕たちはマルチタスクから逃れられるのか?

 

逃れられる。しかし、マルチタスクから逃れることは、非常に難しい。

テクノロジーを拒絶しても、これは変わらない。

スマホ含め、多くの機器を手放す覚悟があったとしても、マルチタスクは可能。

例えば「食事をしながら新聞を読む」ことも、マルチタスク

マルチタスクは完全に断ち切るのが理想だが、減らしていく方が現実的だろう。

 

マルチタスクを減らしていく

 

まずは小さくはじめる。

マルチタスクの時間をできるだけ減らし、うまく立ち回る術を知る。

マルチタスクを制限し、集中できる時間を手に入れよう。

「考え方」と「仕組み」の2つを使って。

 

マルチタスクを減らす「考え方」

  

マルチタスクの快楽に抗う

マルチタスクは非効率である」という意識を持とう。

 

MITの認知神経科学者、Earl Millerはこのように語っている。

 

私たちの脳はマルチタスクとは相性が良くありません。マルチタスクをうまくやっていると思っている人でも、実際にはただ、タスクからタスクへ非常に素早く切り替えているだけなのです。そして、そうするたびに、認知力が低下します

 

同時に複数のことをするマルチタスクは、効率的なように見えて、 非効率。

この意識を持つことで、マルチタスクの誘惑や快楽に抗う。

 

◆沈黙に耐える

ひとつのタスク中に生まれる「間」。この「間」をかみしめる。

例えば、本を読む・映画を見る・ブログを読む/書くなど。

それぞれの中で生じる「間」をかみしめ、楽しむ。

数分・数秒の「スキマ時間」を無駄にしまいと、別のことに意識を割かないこと。

絶対に避けるべきことは、スキマ時間のスマホ操作。

最低でも、スマホは目の届かないところに置こう。

 

マルチタスクを減らす「仕組み」

 

◆シングルタスクできる道具をえらぶ

単一の機能しか持たないものは集中しやすい。

例えば「読書」なら、紙の本以外…電子書籍を読むときは、kindleを使う。

PCやタブレットスマホkindleアプリは使わない。

あくまでも「kindle専用機」を使う。

電子書籍としての機能しか持っていないため、読書に集中しやすい。

書籍は本来、「読む」以外の機能を持たない。

電子化された書籍を読むなら、単一機能のkindleを選ぶ。

 

◆環境をととのえる

物理的に不可能なら、マルチタスクに溺れる心配もない。

マルチタスクできる環境から離れたり、その環境をととのえる。

例えば「ブログを書く」なら、書く・読む以外の行動が制限される図書館に行く。

自宅での作業にこだわるなら、せめて自宅の環境をととのえる。

デスクから「書く」以外の道具を全て取り払う、など。

 

◆時間をえらぶ

マルチタスクを生じさせにくい時間帯をえらぶ。

人間が「選択すること」に割けるリソースは限られている。

マルチタスクを脱してシングルタスクに集中するためには、

まだ何も選択していない時間帯、「朝起きてすぐ」が望ましい。

朝のメリットは、割り込みが発生しづらいこと。

集中を妨げる「音」が少ない。

 

おわりに

 

告白すると、この記事はマルチタスクの末に出来上がった。

もし完全にシングルタスクを実現したいなら、

デスクにタイプライターを置く以外に、道はないのかも知れない。

 

現代人は最早、テクノロジーを拒絶することはできない。

少なくとも僕はそうだ。

 

せめてこのマルチタスクをしてしまう時間を減らして、

集中できる時間を増やしていきたいと思う。

 

 

参考:

 

 

<引用>「そらね!…」

ボヘミアの醜聞シャーロック・ホームズ