【対策は、可能】深い思考を妨げる「情報」の過剰な摂取について

 

どんなに情報を追い求めても、絶対に追いつくことはできないのです。相手はインターネットで、情報は世界中のありとあらゆるところから、日々怒涛のように発信されるのですから。

 
物事をかみしめることが少なくなった、と思う。

 

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かみしめることが少なくなると、記憶が定着しづらくなり、

 深い思考ができなくなってくる。

 

原因には、心当たりがある。

小さく、浅い情報を連続でインプットし続けていることと、

その情報が自身に定着していないことだ。

 

深い思考に必要なことは、何か。

 

「フローする情報を消費するだけで終わらせず、

 ストックできる情報を、かみしめる」

これに尽きるのかな、と思う。

  

フローとストック

情報は、フロー情報とストック情報の2つに分類できる。

一例を挙げる。 

 

 <フロー情報>

 ニュースやTwitterSNSのタイムラインなど

 

 <ストック情報>

 教科書や辞典、データベースなど

 

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ブログはフロー情報と捉えられがちだけど、

個人的には、フローとストック情報の両方になり得ると思う。

 

例を上げるなら、

製品やサービスについての記事なら、フロー。

手順や手法、思考についての記事なら、ストック。

 

こんなところだろうか。

ただし、ひとつの記事でフローとストックの両方を兼ねるものもあるから、

単純に分類することはできない。

 

「かみしめる」ことについて

記事冒頭の

「フローする情報を消費するだけで終わらせず、

 ストックできる情報を、かみしめる」

について、考えてみる。

 

単純な例えだと、こう。

Twitterのタイムラインを眺めて終える1時間と、

 本を精読する1時間では、思考の深まり方が違う」

 

別にこれは、本である必要はない。

ブログ記事でもいいし、ウィキペディア記事でもいい。

ドラマや映画、漫画やアニメでもいいし、絵画でもいい。

  

そのことについて、深く考えることができたなら、

それは「かみしめた」といえる。

 

「外部記憶装置」の功罪

深い思考に必要な情報は、多いほど良い。

そして、その情報を蓄えるスペースは、大きいほど良い。

これについて、

必ずしもそうではない、と思い始めた。


情報を「蓄える」だけに終始して、その後に活用されないのであれば、

はじめから蓄えない方が、時間を使わないだけまだマシだ。

 

それを確信するきっかけとなったのが、

祖母の「手帳の使い方」だった。


僕の祖母は、手のひらサイズの手帳を電話帳として使っている。

 

電子機器の類は全く使わない祖母にとって、

情報を記憶しておく媒体はこの手帳のみ。

おそらく、無駄になる情報はほとんど記されていないだろう。

その中の情報は、少なくとも1回は「活用」されているはずだ。


一方で、僕たちはどうか。

手元にあるスマホは、手のひらサイズの手帳に記すことのできる情報の、

何億倍もの情報を記録できるだろう。

また、記録する対象はハードの中だけにとどまらない。

オンラインストレージなど、多くのクラウドサービスから、

より多くの「外部記憶装置」を借りることができる。

 

「ひとまず、保存しておけば大丈夫だ」

 

こういう考えのもと、何でもかんでも情報を蓄えてしまう。

 

「自分で覚えておく必要はない。

覚えるのはスマホやオンラインストレージに任せればいい」

 

このように、情報を多く蓄え、然るべきときに備える。

それは合理的な判断かも知れない。

 

実際、僕はEvernoteDropboxなどのオンラインストレージサービスを

使っているし、そこから情報を検索することがある。

しかし、近ごろ思うのは、それが必要かどうかを深く考えず、

ただ情報を放り投げてしまうことが少なくない、ということだ。

 

ついやってしまうことと、その結果の例を挙げる。

 

・「あとで読む」に記事をクリップしたが、結局は読まなかった

・「欲しいものリスト」に商品を入れたが、結局は買わなかった

 

全てがそうではないが、大体において、これが当てはまることが多い。

 

「いま、やらないこと」は、優先度が低い

後回しにするということは、そこまで重要ではないということだ。

 

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それなら「はじめから、やらない」で、良い。

 

読まれない記事が溜まることはなくなるだろうし、

欲しいものリストが数ページに渡ることはなくなる。

 

「はじめから、やらない」。

 

僕らは、この賢い選択を

「情報のインプット」というものに対して

適用することが少ないように思う。

 

読まない記事のクリップ、

買わない商品のお気に入り、

使わない情報のインプット。

 

どれも「時間を無駄にする」ことにつながるが、

特に「情報のインプット」に対しては、僕らの警戒心が薄れてしまいがちだ。

 

思いつく範囲で、行動を振り返った。

 

・有益なツイートを見つけたが、理解する時間がないので、Like(いいね)だけして、後で読むことにした

・有益なブログ記事を見つけたが、ゆっくり読む時間がないので、ブックマークした

・有益なブログ記事を見つけたが、ゆっくり読む時間がない。かといってブックマークしても後で読まないと思い、新しいタブで開いてそのままにしておいた

 

挙げた例のなかで、

実際に後で読んだり理解したりすることは、かなり少ない。

 

繰り返しとなるが、

「いま、やらない」というのは、そこまで重要ではないということだ。

 

自分にとって本当に有益な情報であれば、

それを見つけた直後によく読み、よく理解するように行動するはず。

 

後で使うことのない情報を、必要だと思いこんで集めてしまう。

これは、スキマ時間に行ってしまうことが多い。

 

「短時間では深い思考はできないから、せめてこの短い時間の間に、

 後で読む情報を蓄えておこう」

 

こう考えて情報を蓄えておこう、蓄えておこうと欲張ってしまうが、

結果、その情報を後から活用することはない。

 

効率を考えて立ち回ったつもりが、

かえって無駄な時間を過ごしてしまう典型的な例だ。

 

対策する

 

情報を追うのをやめ、入ってくる情報を制限した方が、

脳内に思考するスペースが残ります。

 

対策は、 先ほど述べたとおり

「はじめから、やらない」。

 

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ただし、偶然に見つけた情報の中には、

自身にとって本当に有益なものが含まれることもある。

 

入ってくる情報を制限すると同時に、

(自身にとっての)情報の有用性を判断する力も鍛えておきたい。

 

そして、有用な情報を見つけたときはどうするか?

 

何を差し置いても、その情報に集中し、深く思考すること。

 

状況にもよるが、 命に関わるとき以外は、

その情報に集中することは不可能ではないはず。

 

偶然のチャンスも、逃さないようにしよう。

 

おわりに

 というわけで、まとめ。

 

・フローする情報を消費しない

・ストックできる情報をかみしめる

・入ってくる情報を制限する

・有用な情報には集中し、深く思考する

・情報の有用性を判断する目を養う

 

 

本日はここまで。

 

 

<引用>

「どんなに情報を追い求めても…」「情報を追うのをやめ…」

それって、必要?/筆子