【スマホ依存】ぼくたちはどのようにテクノロジーと共存すべきか?

  

シャワールームはテクノロジーなしで過ごせる数少ない聖域のひとつだ。

いまのところは。

 

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よく、次のように思う。

 

・自分は、スマホ依存だと思う

・近ごろ、集中できなくなった

 

 

 

そして、次のことを自覚する。

 

・スマホを使うはずが、

 スマホに「使われている」と感じる

 

・「スキマ時間に少しだけ」のつもりが、

 気がついたら長時間スマホを使っている

 

・寝る前にスマホを使うと、

 目が冴えて眠れなくなる

 

・特に理由はないのに、

 無意識のうちにスマホを手に取っている

 

 

自覚するだけではなかなか治らないのが、

スマホ依存。

「このままではいけない」と思いつつも、

気づいたらスマホばかり使っている。

 

2年近く前に書いた本記事だが、

あらためてスマホ依存に向き合うため、

リライトした。

 

スマホ依存と向き合い、

ぼくたちはどのようにテクノロジーと共存すべきか。

 

 

スマホがないころ、何をしてたのか?

いまでこそ当たり前になったスマホ。

スマホをまだ持っていなかったころ、

何をしていたのか。

 

https://images.unsplash.com/photo-1510717029971-27681a0e9da9?ixlib=rb-1.2.1&ixid=MXwxMjA3fDB8MHxwaG90by1wYWdlfHx8fGVufDB8fHw%3D&auto=format&fit=crop&w=1000&q=80

 

確かにいえるのは、

「ひとつのことに集中していた」ということ。

スマホを使い始める前はもっとこう、

ひとつのことに集中していた。

 

そのころの集中力を取り戻したい。

 

 

スマホとうまく共存する

スマホが普及したいま、

スマホ依存に悩む人は多いと思う。

 

スマホ依存を治すために、どうすればよいのか。

はじめに、何をすればよいのか。

 

それは

「急に治そうとしない」こと。

 

 

「デジタルデトックス」という言葉がある。

 

デジタルデトックスは、

・デジタル機器の使用を自発的に控えていくこと

・または、その期間のこと

 

だと言われている。

 

ぼくが思うに、このデジタルデトックスには、

2つのタイプがある。

 

1.デジタル機器を使わない「経験」だけを目的とするもの

2.デトックスによる「生活の質の改善」を目的とするもの

 

スマホ依存の人が目指すべきは、

2.の「生活の質の改善」だ。

 

よくありがちな

「一泊二日の間、生活から

デジタル機器を完全にシャットアウトする!」

というのは、1.にあたる。

 

キャンプの際に試しても良さそうなものだが、

この「完全なシャットダウン」+「短期間」

という組み合わせは、

スマホ依存を治すためにはあまり効果がない。

 

もちろん、短期間であっても

「デジタル機器を完全にシャットダウンして、

濃密な時間を過ごせる」というメリットはある。

デジタルデトックスという「経験」だけを目的とするならアリだ。

 

ただし、その「経験」は、

完全にシャットダウンした期間が終わると同時に、

「デジタルデトックス・キャンプに行ってきました!」

という内容でSNSに投稿されるのだろうな、と思う。

そして普段どおりの、スマホ漬けの毎日がはじまるのだろう。

 

スマホ依存の人が目指すべきは、

2.の「生活の質の改善」だ。

 

そのために、

スマホとうまく、共存しよう。

 

スマホに依存する弱い自分を受けいれ、

スマホを工夫して使おう。

 

余談だが、2015年のライフハッカーの記事と、2019年の記事ではそれぞれ逆の意見となっている点が面白い(前者はスポンサードの記事だが)。これは別に皮肉でもなんでもない。考え方や価値観がアップデートされるのは素晴らしいこと。

 

 

今日からできる、スマホ依存対策

ここからは、具体的な対策を挙げていく。

 

■1.通知を切る 

はじめに取り掛かりたいのが、

「通知を切る」だ。

 

スマホ依存における「通知」には、

2種類が存在する。

 

1つめ、スマホが発する通知。

2つめ、自分自身が発する通知。

 

2つめの「自分自身が発する通知」については、

この記事では省略する。

 

「スマホが発する通知」について。

 

多くのアプリは、初期の設定では

通知(Notification)がオンになっている。

 

まずはこの通知を、可能な限りオフにする。

 

 

理想としては、

「すべてのアプリの通知を切る」

だけど、現実的にはむずかしい。

 

緊急の連絡を逃さないために、

電話や、メッセンジャーアプリの通知くらいは

残していてもいいだろう。

 

ガラケー時代の通知といったら、

「電話の着信」か「メール」くらいのものだった。

それに合わせるイメージ。

 

 

何の考えもなしにスマホを使うと、

多くの通知を受け取ることになる。

 

「おすすめのニュースがあります」

「新しい投稿があります」

「スタミナが回復しました」

「いいね!されました」

 

これらの通知が、いまの自分に必要かどうか。

改めて、考えてみるべきだろう。

 

「全ての情報を、知る必要はない」

そういう心がけを持つことだ。

 

メッセンジャーアプリの通知は、相手ごとに設定するのがオススメ。

優先度の高い相手の通知だけオンにしておいて、

それ以外のアカウントはミュートにしておこう。

 

 

 

■2.「何もしない時間」を大切にする

 

スマホを持つようになってから、

「暇だな」と思うことが少なくなった。

 

たまに「暇だな」と思う瞬間はだいたい、

すぐにスマホを手に取れない状態にあるときだけ。

 

以前は、暇だなと思いながら、

ボーッと過ごす時間が

一日の中でいくらかはあった。

 

スマホを持つようになってから、

それがほとんどなくなった。

 

スキマ時間は、ついスマホに手が伸びる。

気持ちは分かる。

ぼく自身も、そうしてしまうから。

 

つい、スマホに手が伸びる。

そういうときは、いったん、立ち止まろう。

 

スマホの誘惑を断つためには、 

「スマホで、何をしたいのか?」

と自問してみよう。

 

手に取る前に、考える。

「スマホで、何をしたいのか?」

 

これを意識しはじめると、

自分が思っている以上に、

「いま必要でないのに、

スマホを操作しようとしている」ことに気づく。

 

これならまだいい方で、

ひどくなると、

「無意識にスマホを手にとっていた」

ということもある。

ここまでくると、それはもうスマホ依存だ。

 

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マインドワンダリング、という言葉がある。

 

日本社会心理学会のサイトでは、

マインドワンダリングについてこのような記述がある。

現在行っている課題や外的な環境の出来事から注意が逸れて,自発的な思考を行う現象である

(「wander」は、さまようという意味)

 

マヌーシュ・ゾモロディ著

「退屈すれば脳はひらめく(原題:Bored and Brilliant)」

には、次の記述がある。

 

ルイヴィル大学哲学科の研究者で、退屈の擁護者を自任するアンドレアス・エルピドローはこう説明します。「退屈はこれまでの目標に満足できなくなったときや、魅力や意義を見いだせなくなったとき、つぎの目標を見つける原動力になる」。彼は2014年の「退屈の明るい面」というタイトルの学術論文で、こう論じています。退屈は、「その人が本来やるべきことをやるよう、うながす。もしも退屈しなければ、本来の実力に合わない状況に囚われたまま、感情的にも、認知的にも、社会的にも、有意義な経験をするチャンスを逃してしまうだろう。退屈は、自分が本当にやりたいことをしていないぞと警告してくれ、同時に私たちが目標や仕事を切り替えるのをうながしてくれる」

 

スキマ時間やそれ以外の時間における「退屈」。

これを「ひらめき」に変えられるかも知れないなら、

ボーッとする時間も、悪くない。

 

 

■3.検索に頼らない

ぼくは、もし相手がそれを許してくれるのであれば、

ぐぐれば分かることを、わざと相手に聞くことがある。

これはいくつかの効果がある。

 

・会話のネタになる

・相手も、自分も、頭を使う

 

スマホで調べて自己完結するのではなく、

会話そのものを楽しもう。

 

ぐぐるのは、質問の後でいい。

「たぶん○○だと思う」と、仮説を立ててからの検索して、

答え合わせをしてもいいだろう。

ぼくはこれを、母親とのコミュニケーションでよく使っている。

 

 

■4.大切な人とは、直接話そう

 

久々に会う友人と会話をして、解散するときに

「話し足りない」と感じることはあるだろうか。

 

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もしそれがあるなら、よりよい関係だといえる。

逆に「話足りない」と思わなかったり、

そもそも会った時点で

話すことが少ない」と感じたりする場合は、要注意。 

 

スマホを通した事前の情報共有、

例えば「普段からLINEで頻繁にやりとりしている」といったことが多いと、

久々に会った友人との会話で、驚きが少なくなる。

たまの再会を楽しむなら、事前の情報共有は最小限にとどめよう。

 

 

■5.外部のチカラに頼りすぎない

デジタルデトックスのプログラムや、

スマホの利用時間を制限するアプリ。

 

これらはあくまで「補助的に」使うもの。 

 

大切なのは

「自分自身の力で、スマホとうまく付き合うこと」。

 

セラピーやアプリは助けにはなるが、

自分自身でスマホ依存に向き合うことが、最も大切。

 

ぼくたちがスマホ依存を克服しようとしても、

多くの企業が

「スマホを、いかに多くの人に、

いかにたくさん使わせるか?」

という視点のもと、魅力的なサービスを打ち出してくる。

 

スマホの誘惑を断ち切るために

できることからはじめていこう。

 

一日に、ひとつのアプリの通知を切る。

または、アンインストールする。

少しづつでも、かまわない。

 

 

  

 おわりに 

もはや僕たちは

「テクノロジーを拒絶して生きていく」ことが、難しくなっている。

 

ならばせめて、そのテクノロジーと付き合っていくために

うまく立ち回っていくべきだろう。

 

 

本日はここまで。

 

 

<引用>

「シャワールームは…」/ゴールデン・クリシュナ